産婦人科病棟で看護師をしていた黒栁さん。「赤ちゃんが泣いて寝られない」というママの悩みを根本的に解決させたいと思い、眠育アドバイザーと睡眠コンサルタントの資格を取得。現在は、妊婦と子どもの睡眠専門家として、夜泣きや寝かしつけに関する講座や個別相談で活躍されています。
抱っこや添い乳なしでは、寝てくれません。どうすれば?
抱っこや授乳でしか寝ないのは、それでしか眠る方法を知らないからです。「抱っこ・おっぱい=ねんね」にならないように、他のことを入れて切り離してあげましょう。私の場合は産まれてすぐに授乳とねんねの間に「歌」を取り入れ、布団で寝かせることを習慣化したら、セルフねんねができるようになりました。そして、もう1つ大切なのは、寝かせるタイミングです。機嫌が悪くグズグズしてしまうと、落ち着かせるために抱っこや授乳が必要になります。そうなる前に寝かせてあげましょう。
セルフねんねのコツや、上手に寝かしつける方法はありますか?
本来持つ「眠る力」を、引き出してあげることがポイントです。まずは寝付きやすくする為に、睡眠環境を整えます。そして寝る前の行動に一貫性を持たせ、ねんねルーティンを確立させましょう。生後5カ月にもなると癖がつきやすいので、授乳や抱っこでの寝かしつけが辛い場合は、背中を布団につけて眠る方法を教えてあげると良いでしょう。基本的なことは、
①寝床を整える
1番安全な寝床はベビーベッドです。布団を使う場合は、大人と赤ちゃんの布団の間隔をあける、ベビーサークルで囲うなど、境界線を作りましょう。それぞれの睡眠を邪魔し合うことを防げ、事故防止にもつながります。またモニターがあるとなお良いでしょう。不必要な介入で赤ちゃんをおこしてしまうことを防げます。別室にいても常に様子が見られるので、ママも安心です。
②温度は低めで、掛布団なしがベスト
ママが肌寒いと感じるくらいが子どもには適温です。日本はおふとん文化が根付いていますが、1歳までの赤ちゃんには掛布団は不要です。窒息などの危険性もあるので、何もかけない方が良いでしょう。寒い時期はスリーパーがおすすめです。
③真っ暗×ホワイトノイズがおすすめ
視界に入るものが気に入らないよう極力真っ暗にしましょう。ライトが必要な場合は、天井のライトは消し、足元をぼんやり照らす程度にします。また無音でもすんなり眠れるなら、あえて音は要りませんが、ホワイトノイズがおすすめです。「ザー」という空気清浄機の音や、せせらぎの音など、単調な音を出し続けると良いでしょう。ガシャン・バタン!という赤ちゃんを起こしてしまう生活御をかき消してくれる役割にもなります。