インタビュー

大切な歯の話

いぬづか子供歯科クリニック院長犬塚勝昭先生

歯が生え始める時期には個人差がありますが、早くて6カ月くらいから生え始めます。歯茎がむずがゆくなり、よだれが増えたり、機嫌が悪くなったりすることも。この頃から口腔ケアはスタートします。普段からお子さんの口の中をよく観察しましょう。

1、下の前歯が生えてきたらガーゼ磨きを始めよう!

綿100%のガーゼをぬるま湯でしめらせ、人差し指に巻き付けて、歯の表と裏を優しく拭いてあげます。授乳後や離乳食後・就寝前に、お口を清潔に保つようにしましょう。

2、上の前歯が出てきたら歯ブラシデビューを!

柔らかい歯ブラシで、食べかすや歯垢を落としてあげましょう。小さなヘッドで隅々まで磨ける歯ブラシがベスト。鉛筆の持ち方で力を入れず、やさしくブラッシングしましょう。

※イヤがったら、無理やりしないで!トラウマになり歯磨き嫌いになってしまいます。赤ちゃんと楽しく遊ぶ感覚
で、焦らず、ゆっくり歯磨きを取り入れていきましょう。

歯磨きが嫌いにならない為に!

1、乳歯が生え始める前に歯固めを

口の中にものを入れる抵抗がなくなり、歯ぐずりの解消や噛むトレーニングになります。またカミカミすることで、唾液がたくさん分泌されるので虫歯予防にも効果的。

2、普段から口周辺に優しく触れて!

そろそろ歯ブラシデビューかな?と思ったら、お顔や頬、舌などに優しく触れてあげましょう。歯ブラシを急に口に突っ込むのはNG!赤ちゃんは異物が入ってきたとビックリします。最初は歯ブラシで舌の先や横をチョンチョンと触って刺激をしてあげましょう。

3、前歯が生えたら、乳歯ブラシを持たせよう

赤ちゃんに乳歯ブラシを持たせて、にぎる場所とくわえる場所を教えましょう。ブラシは滑りにくく握りやすいもの、やわらかい嚙み心地のものを選びましょう。喉付き防止の安全プレートがついていると安心!

乳歯が生えそろう3歳頃から自分で磨く練習を始めましょう!

最初は上手に磨けませんが、あとでママがしっかり仕上げ磨きをすればOK!まずは「自分で歯磨きする」を習慣づけることが大切です。慣れてきたら、正しい磨き方を少しずつ教えていきましょう。

近年、急増!子どものお口ぽかん病

お口ぽかん病が引き起こす、様々なトラブル
❶鼻の粘膜や鼻毛というフィルターを通さずに、空気が直接
体内に入るので、細菌やウイルスに感染するリスクが高まります。
❷口内が常に乾燥してしまうため、だ液の作用が弱まり、
むし歯や歯肉炎・口臭を引き起こします。
❸口の周りの筋肉が十分に発達せず、ぼんやりとした表情に。
❹口を開いて食事をする「クチャクチャ食べ」や、
発音が不明瞭になってしまうことも。
❺口呼吸だと舌の位置が下がりやすいので上顎が発達しにくくなります。
それにより歯並びや噛み合わせに影響が出てきます。
❻いびきや睡眠時の無呼吸症候群に...。

お口ぽかん病の原因は?
口に入れた指が上の前歯を押したり、上下の歯が伸びてくるのを妨げます。そのため出っ歯や開伵※になります。おしゃぶりは1歳半ごろ、指しゃぶりは3歳ごろにやめられるようやさしく指導しましょう。
※奥歯は噛んでいても、前歯が噛み合わずに開いている状態
□指しゃぶり・おしゃぶりがなおらない

外傷やむし歯で前歯が早く抜け、すき間ができると気になり、舌を突っ込む癖がつき開伵の原因に。夜中の頻繁な授乳や甘い飲み物は、前歯がむし歯になりやすいので気をつけましょう。
□乳歯の前歯が早く抜ける

鼻がつまっていると口呼吸になってしまいます。口呼吸の場合、常に舌をさげていなければならず舌癖※がついてしまいます。耳鼻科を受診し、鼻づまりを改善しましょう。
※舌癖とは、気づかないうちに歯の間から舌が出ていたり、舌を歯に押し付けているような動きをすること
□鼻づまり

食材を大き目に切り、たくさん噛むようにしましょう。また食事の際、足の裏がしっかりと床に着いた状態にすることも大切。足がプラプラ浮いていると力が入らず、しっかり噛むことができません。

 

『お子さんには一生健康な歯でいてほしいですよね。そのためには幼い頃からの生活習慣や予防ケアがとても大切。これを期にお子さんの口内をしっかり観察し、毎日のケアを見直してみましょう。』

 

(2021年10月取材)